stable coin」タグアーカイブ

BASIS – 分散型中央銀行によるステーブルコイン?!

以前にペッグ通貨(ステーブルコイン)の分類をしました。その時は、トラストレスかつ裏付け資産のないペッグ通貨はない、と書きました。

が、そのようなプロジェクトが登場し、かつBain CapitalやAndreeseen Horowitz等の有力VC等から多額の資金調達をしたというニュースがありました。

 

BASISです。アルゴリズミックな中央銀行によるステーブル暗号通貨(A stable cryptocurrency with an algorithmic central bank)を標榜しています。

 

気になりますね。。BASISについて調べてみました。ホワイトペーパーはこちら

概要

Basisは、ブロックチェーンに刻まれたアルゴリズムが、トークンの供給量を調整することによって価格を一定に保つ(任意の資産/資産バスケットにペッグする)ように設計されています(当初はUSDにペッグされます)。

  • Basisの需要が高まり価格が上昇している場合(価格が1ドル以上の場合)、ブロックチェーンは新しいBasisを生成して配布します。供給を増やすことで、Basisの価格を引き下げます。新規に作成されたBasisは、BondトークンとShareトークン(後述)の保有者にプロトコルで決められた優先順位で与えられます。これは、後で詳しく説明する2つの別々のクラスのトークンです。
  • Basisの需要が減少し価格が下落している場合(価格が1ドル未満の場合)、ブロックチェーンはBondトークンを生成して公開オークションで販売することでBasisの流通量を減少させ、価格を上昇させます

つまりBasisプロトコルの価格安定の方法は、中央銀行が国債等の購入/売却を通じてマネタリーベースを縮小/拡大するのと類似の方法で、ここがBasisがアルゴリズミックな中央銀行であると言っている理由ですね。

 

仕組み ー 3つのトークン

上記の概要部分で登場していますが、Basisプロトコルは以下の3つのトークンを用います。

  • Basis:システムのコアトークン。USDにペッグされ、価値の交換に使用されることを目的としている。ペッグを維持するために供給量が調整される(将来的にはCPI(消費者物価指数)等USD以外へのペッグが考えられているよう)。
  • Bond(債券)トークン:Basisの供給を縮小する必要があるときにブロックチェーンによってオークションにかけられ、Basis供給量の調整を行うためのトークン。何にもペグされていない。以下の条件が成立する将来のある時点に1Basisと交換できる。

・ブロックチェーンがBasisを生成して配布している、つまりBasis供給の拡大期
・発行5年未満で、満期が未到来
・それ以前に生成されたすべてのトークンが償還済みまたは期限切れとなっている

BondトークンはBasisが1ドル未満の場合に発行されるので、その購入価格は必ず1Basis以下となりますが、いずれBasisの価格が上昇したときに1Basisで償還されます。これは投機家がBondトークンを購入するインセンティブとなります。

  • Share(株式)トークン:Bondトークン償還後に余ったBasisを分配するためのトークン。総供給量は固定、何にもペッグされていない。その価値は配当(新規に発行されたBasisを受け取る権利)に由来する。Basisへの需要が高まり、ブロックチェーンが需要に対応するための新しいBasisを生成すると、Share所有者は、すべてのBondトークンが償還されている場合に限り、新しく作成されたBasisをプロラタで受け取ることができます。

余ったBasisをBasis所有者に配布するとステーブルコインに投機的な要素をもたらすことになるため、Shareトークンを導入しているようです。ただShareトークンのディストリビューションがどのように行われるのか、ちょっとわかりませんでした。。どこかに記載されてるのかな?

 

他のステーブルコインに対する優位性

ホワイトペーパーでは、他のステーブルコインの分析、比較した場合の優位性についても述べられています。

シニョレッジシェア

  • シニョレッジシェアをプライシングするのは困難
  • デススパイラルからの回復が不可能
  • Basisに比べてデススパイラルが起こりやすい

MakerDAO

  • Daiは基本的に価値が安定していない。なぜならプロトコルはDaiの目標価格変化率を調整することによって安定性を維持するため、直接的に不安定性を作り出している
  • Daiはスケーラブルでない—ネットワークが拡大するにつれて、Dai所有者の手数料は大きなものになる
  • DaiとMKRはブラックスワンイベントが起こった場合、簡単に値下がりする。そしてシステムには価格を再度上昇させるメカニズムはない
  • MakerDAO への投資トークンであるMKRからのペイアウトは少ない。スタビリティフィーでは少ししか稼げないし、しばしば希薄化が起こりうる
  • MakerDAOのスタビリティアナリシスは、プロトコルの経済インセンティブの分析に完全に失敗している

Tether

  • eGoldと同様、フィアット担保を約束している企業はいつでも閉鎖される大きなリスクがある
  • Tetherオーナーが資金供給を完全にコントロールしている。これは単一障害点が存在することを意味する
  • 金融政策が組み込まれていないため、ファットを置き換えることはできない。もしTetherがドルのマネーサプライの大部分を占めるようになったら、連邦準備制度が機能しなくなり、Tetherの安定性も失われる

Bitshares

  • BitUSDのペッグは、プロトコル自体ではなく、最終的な貸し手としてBitShares社が保証することにより成立している
  • BitSharesはステーブルコインとなるようには設計されておらず、予測市場(prediction market)となるように設計されている

 

 

まとめ

なかなか考えられてると思いますが、ボンドトークン買う人はいるでしょうか。初めはBASISが調達した資金で支えていくことになるかもですね。

そしてVC等の投資家はどこで儲けるんでしょう。Shareトークン?なんでしょうか。。開発進捗が楽しみです。